日鉄とUSスチール合併問題は収まりそうもない。
米鉄鋼業22位クリーブランド・クリフス社CEOにして鉄鋼連盟会長のローレンソ・ゴンカルベス氏は「中国は悪だ。中国は恐ろしい。しかし日本はもっと悪い。日本は中国に対してダンピングや過剰生産の方法を教えた」とは聞き捨てならないが、あながち間違いではない。
1972年田中角栄政権は日中国交正常化を行った。この時のお土産に、日本政府お墨付きで日本製鉄は延べ1万人もの社員を動員、上海宝山製鉄所を完成させ当時最先端の技術供与を行った。その後、中国鉄鋼産業は国策として急速拡大。いまや年間粗鋼生産量1億2000万トン、売上22兆円、従業員20万人を超える世界最大の鉄鋼メーカーになった。この日本政府と日本製鉄挙げて後押しでモンスター中国を造ってしまった事実をゴンカルベス氏は指摘したのだ。反省がないまま川崎重工+伊藤忠は新幹線技術で、電気自動車と蓄電池技術ではナショナルとトヨタが同じ間違いを犯した。この合併問題で今さら偉そうなことを云える立場にはなく、猛省が必要なのは政府と日鉄だろう。
1月 19
2025
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